こんにちは、木口マリ(子宮頸がん経験者、肺がん経験者の家族)です。
肺がん患者の会ワンステップが毎年刊行しているフリーペーパー「トコトン!患者応援マガジン 肺がんBOOK」の編集・執筆を担当しています。
先日、「オンライン結心」というワークショップに参加しました。
「結心」とは、「タバコをやめたい人を応援しよう!」というプロジェクトです。
「ふ〜ん、禁煙を応援してくれるのね」と思ったアナタ!
全然違います。
結心プロジェクトがスゴいのは、禁煙したい本人を応援するというよりも、その周囲にいる人(家族、友人、同僚など)を対象としている点。
それも、「いかにやめさせるか」ではなく「いかに応援するか」を考える場なのです。
つまりは、禁煙を応援したい人の意識改革といったところでしょうか。これは興味深い!
今回のワークショップは盛りだくさんの2時間。
内容は、こんな感じ。
絶対に禁煙してもらいたい家族などがいるわけでもない私ですが、「何か新しい考え方に触れられそう」と、軽い気持ちで参加してみました。
オンラインのワークショップは初めてでドキドキ。
早速スタートです!
スタート!……の前に、結心プロジェクトの代表である長谷川一男さんより一言。
これがまた、なかなかの名言。
世の中には、「不可能」と思うことがある。
でもそれは本当に不可能ですか。
不可能と決めているのは、いわゆる常識であって、そこから外れたら案外できることは多いのではないでしょうか。このワークショップは、その不可能を崩そうとするものです。
不可能を崩す要素は3つ。
- 「知識」 きちんとした知識がすべての土台
- 「構造を理解する」 感情に隠れて見えなくなっている構造を理解する
- 「仲間」 一人だとできない。でも仲間がいれば壁を乗り越えられるのではないか
かもしれません。
ひとまず念頭において、ワークショップを終えたあとにもう一度思い返してみることにしましょう。
一つ目のプログラムは、「タバコのお悩み会議室」。
2人ずつのグループになり、お互いの「タバコの悩み」を共有します。
普通なら、ここでお隣に座った人同士で話し始めるのですが、今回はオンライン(Zoom)。どうするかというと、ランダムにグループ分けされます。誰が来るのかわかりません。画面上で“別室”に行く指示があり、そこで相手を待つのです。
どんな方が来るのかドキドキ。
いきなり「パッ!」と知らない誰かが目の前に現れるのですから。
パッ!で登場したのは、お顔だけは拝見したことのあるOさんでした。
その後も何度かグループ分けがあり、初めてお目にかかる方もいましたが、なぜかリアルで話す以上に打ち解けやすかったような気がします。パソコンを介したほどよい距離感があるからかもしれません。
……で、「タバコの悩み」のお話。
私の「お悩み」は、「タバコをやめようとしない友人に、『やめようかな』と思ってもらうにはどうしたらいいのか」です。
私には友人に、「絶対やめてもらいたい!」というほど強い思いはありません。
でも、タバコは本人や周囲にも「害がある」とわかっているものだし、親しい友人に対しては「やめたらいいのに」と、常日頃から思っていました。何より、私のがん治療を身近に見ていて何も感じないのかなと、残念な気もしていたのです。
お相手になったOさんは、「自身が肺がんになり、タバコをやめることができたため、他の人もできるはずと考えてしまう」とのこと。
しかし実際にはなかなかやめられない人もいるし、一度やめても再度吸い始めてしてしまうこともあります。「やめることができた人」も、「やめられない人」の気持ちと並走するのは意外と簡単ではないのかもしれないと思いました。
おそらく、吸わない人の多くは禁煙の難しさをわかっていると思います。吸う人も「やめた方がいい」と心のどこかでは思っているはず。それでもかみ合わないのは、「思いのすれ違い」があり、お互いに、その「表し方」と「受け止め方」を知らないことにあるのではないかと感じました。
それを学んでいくために重要な第一歩は「正しい知識」!
タバコに関する数々のオドロキ事実に「えええ!」と声をあげること間違いなしのプログラム「(2)最新タバコの知識」に続きます!
取材・文:木口マリ
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